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「クレジットカード決済」について

   日本公証人連合会(以下「日公連」という。)では、令和4年4月1日から、全国285役場において、公証人が受け取る手数料(一部を除く。)について、一斉にクレジットカードによる決済制度を導入することとしました。

   公証制度は、私人間で作成される契約書等の文書の成立や内容について、公証人が関与して強制執行などの法定の効果を伴う証明を与える制度です。正に、後日の紛争予防機能を持つ社会の基本的インフラといえます。このような基本的インフラの決済手段としてキャッシュレス決済を導入することが、利用者の利便性を高めることになります。

   日公連においては、平成12年に電子公証制度を創設し、平成14年4月1日から電子定款及び電子私文書の認証制度並びに電子確定日付制度の本格運用を開始し、法人の設立定款の電子認証は積極的に活用されている実情にあります。また、来るべきデジタル社会を見据え、平成31年3月29日からはテレビ電話による認証制度を導入し、令和2年8月からは電子確定日付センターを設けて電子確定日付の集中的な処理を実施し、この度、公証人手数料の支払いについて、クレジットカード決済を導入するに至りました。

   さらに、今後のデジタル社会においては、公証役場に出向くことなく、オンラインで電子公正証書を作成する制度が整備され、ますます手数料の支払いをキャッシュレスで決済する姿が予想されるところです。今後とも、デジタル社会に対応できるように、制度の改善に努める所存であります。

総論―一般的質問

Q1.公証役場で手数料のクレジットカードによる決済ができるようになったそうですが、どのようなシステムですか。

   公証役場においてカードリーダーによってクレジットカードを読み取る方法(店舗方式)と、公証役場からメールで送付されたURLをクリックして専用ページに遷移し、各種項目を入力して決済する方法(Web方式)です。
   Web方式は、費用を予納していただく形態に近くなります。利用に当たっては公証役場に御相談ください。

Q2.Web方式では、専用ページでどのような情報を入力するのですか。

   嘱託人名義のクレジットカードの番号、有効期限、セキュリティコード等を入力していただきます。

Q3.Web方式で処理した後、証書の作成を中止した場合、どのように清算するのですか。

   公証役場において、クレジットカード処理を取消しできます。嘱託人とクレジットカード会社との間の清算は、クレジットカード会社との個人会員規約の内容いかんですが、通常、口座からの引き落とし前の場合は取消しのみであり、引き落とし後の場合は、その口座に後日返金されます。

Q4.決済に利用できるのはクレジットカードだけですか。

   VISA/Master/JCB/Diners/AMEXの5種類のクレジットカードに限られています。

Q5.クレジットカード以外のキャッシュレス決済、QR決済、電子マネーなども利用できますか。

   上記のとおり、クレジットカードに限られています。QR決済、電子マネーは利用できません。

Q6.クレジットカードの利用手数料は公証役場側が支払うのですか。

   クレジットカードの利用手数料は、公証役場の方で負担させていただきます。この手数料を嘱託人に請求することはありません。

Q7.クレジットカード決済ができるのは特定の公証役場だけですか。

   全国285役場において、一律、クレジットカード決済の利用が可能です。

クレジットカード決済の留意点

Q1.公証役場の支払については、手数料の全てにわたってクレジットカード決済を利用できますか。

   キャッシュレスサービス提供契約に基づく制約があり、印紙代、登記手数料、送達に要する料金はクレジットカード決済が利用できません。現金でのお支払いをお願いします。

Q2.遺言を作成する際に公証役場で手配してもらった証人に対する報酬もクレジットカードで決済できますか。

   今回のクレジットカード決済は、公証人手数料に限って利用を認められていますので、証人に対する報酬については利用できません。

Q3.公証人が出張して公正証書を作成する場合等でもクレジットカード決済を利用できますか。

   出張時にクレジットカードを利用できるかは各公証役場によって対応が異なります。各公証役場にお問い合わせください。

Q4.従来行われていた銀行振込やネットバンキングによって送金する取扱いは維持されるのですか。

   これまでの銀行振込やネットバンキングによって送金することも可能です。

Q5.領収書は、クレジットカード決済をした時点でもらえますか。

   公証人手数料令及び公証人施行規則では、公証人は手数料の請求に当たって計算書を交付する扱いとなっています。現金での支払いの場合には、この計算書に領収の事実を付加して交付していますが、クレジット決済の場合には、このような取扱いができません。もっとも、クレジット決済の場合においても、嘱託人に計算書とクレジットカードの利用明細書をお渡ししますし、嘱託人の希望によって領収書を作成してくれる役場が多いと思いますので、各公証役場にお問い合わせください。

クレジットカード利用上の留意点

Q1.公証役場に対する手数料について、嘱託人間で折半してクレジットカード決済をすることができますか。

   クレジットカードで折半する取扱いを認めている役場が多いと思われます。詳しくは、各公証役場にお問い合わせください。

Q2.手数料の一部を現金で、一部をクレジットカードで決済することはできますか。

   キャッシュレスサービス提供契約に基づく制約により、一部を現金で、一部をクレジットカードで決済することは認められておりません。

Q3.親子・兄弟姉妹等が本人からクレジットカードと暗証番号を預かって使用することができますか。

   キャッシュレスサービス提供契約に基づく制約により、他人名義のカードは利用できません。親子であっても、兄弟姉妹であっても同じです。ただし、子どもや兄弟姉妹が、親や他の兄弟姉妹のために自分名義のクレジットカードで決済することは可能です。

Q4.法人名義クレジットカードを使用することはできますか。

   法人名義のクレジットカードを利用することは可能です。