公証事務
11必要書類
Q1. 公正証書を作成するには、どのような資料を準備しておく必要がありますか?
公正証書の種類によって準備する資料は異なってきますが、この項目では全ての公正証書に共通する資料について、説明します。
当事者等の確認資料については、当事者本人が公正証書を作成する場合と、代理人によって公正証書を作成する場合、さらには、当事者が個人の場合と法人の場合とで異なります。それぞれ分けて説明します。
なお、後述する印鑑登録証明書、代表者の資格証明書および印鑑証明書ならびに法人の登記簿謄本(登記事項証明書)については、発行3か月以内のものに限られます。
1 当事者本人により公正証書を作成する場合
(1)当事者が個人の場合
- 印鑑登録証明書と実印
- 運転免許証と認印
- マイナンバーカードと認印
- 住民基本台帳カード(写真付き)と認印
- パスポート、身体障害者手帳または在留カードと認印
上記①~⑤うちのいずれかをご準備ください。なお、公正証書の種類によっては、特定の資料に限定される場合もあります。
(2)当事者が法人の場合
- 代表者の資格証明書と代表者印およびその印鑑証明書
- 法人の登記簿謄本(登記事項証明書)と代表者印およびその印鑑証明書
上記①②のうちのいずれかをご準備ください。
2 代理人によって公正証書を作成する場合
(1)当事者が個人の場合
- 本人から代理人への委任状
委任状には、委任内容が記載されていることが必要です。白紙委任状は認められません。委任状の作成方法は、通常、合意された契約書面を委任内容として委任状に添付し、その後、委任状の鑑文書に本人の実印を押印し、添付した契約書面との間に契印(割印)をして委任状は完成となります。
委任状の鑑文書については、公証役場で見本を用意しておりますし、また、委任用に添付する合意された契約書面についても、複雑な内容のものであれば、公証人が代理人から資料を受け取って作成したり、公証人が委任状の作成方法を詳しく説明したりしますので、まずは公証人にご相談ください。 - 本人の印鑑登録証明書
代理人によって公正証書を作成する場合には、本人作成の委任状が必要となります。そして、委任状が間違いなく本人が作成したものといえるためには、委任状に印鑑(実印)が押されていて、その印鑑が本人の実印のものであることを証明する印鑑登録証明書が必要となります。 - 代理人の確認資料
代理人自身の確認資料として、1(1)①~⑤のうちのいずれかをお持ちください。
(2)当事者が法人の場合
- 法人の代表者から代理人への委任状
委任状の作成については、概ね上記2(1)①のとおりですが、法人の場合は委任状の鑑文書に代表者印を押印します。 - 代表者の確認資料
ア 代表者の資格証明書および代表者印の印鑑証明書
イ 法人の登記簿謄本(登記事項証明書)および代表者印の印鑑証明書
上記アイのうちのいずれかをご準備ください。 - 代理人の確認資料
代理人自身の確認資料として、上記1(1)①~⑤のうちのいずれかをお持ちください。
Q2. 遺言公正証書を作成するには、どのような資料が必要ですか?
遺言者本人の確認資料(上記Q1の1(1)参照)のほか、次の資料が必要です。
- 遺言者と相続人との続柄が分かる戸籍謄本
相続人が甥、姪等、その本人の戸籍謄本だけでは遺言者との続柄が不明の場合は、その続柄の分かる戸籍謄本をも準備してください。 - 受遺者(遺言者の財産の遺贈を受ける者)の住民票、手紙、ハガキその他住所の記載のあるもの
遺言者の財産を相続人以外の者に遺贈する場合は、その受遺者の戸籍謄本ではなく、住民票、手紙、ハガキその他住所の記載のあるものをご準備ください。それが困難な場合は公証人にご相談ください。なお、受遺者が法人の場合は、その法人の登記簿謄本(登記事項証明書)または代表者の資格証明書が必要です(公に認知されている公益の団体の場合は、不要です。)。 - 固定資産税納税通知書または固定資産評価証明書
遺言者の財産に不動産が含まれている場合に、ご準備ください。 - 不動産の登記簿謄本(登記事項証明書)
遺言公正証書に、所在・地番等不動産を特定する事項を記載するために必要です。ただし、証書中で個々の不動産の特定をしない場合は、不要です。 - 預貯金等の通帳またはそのコピー等
銀行等の預貯金口座を特定するために必要となる場合があります。 - 証人の確認資料
遺言公正証書を作成する場合、その場に立ち会う証人2名が必要です。ご自身で証人を手配される方は、証人の住所、氏名、生年月日の分かる資料(例えば、運転免許証のコピーなど)をご準備ください。
この証人については、誰でもなれるものではなく、推定相続人および受遺者、それぞれの配偶者、直系血族等の利害関係人や未成年者等は証人になれません。
適当な証人がいないときは、公証役場で証人をご紹介することもできますので、ご相談ください。 - 遺言執行者の特定資料
遺言執行者とは、遺言の内容を実現する者であり、遺言書で遺言執行者を指定することができます。相続人または受遺者が遺言執行者になる場合は、その方を特定する資料は不要ですが、それ以外の方を遺言執行者とする場合は、その方の住所、氏名、生年月日が確認できる資料(例えば、住民票や運転免許証のコピーなど)を準備してください。
Q3. 任意後見契約公正証書を作成するには、どのような資料が必要ですか?
当事者本人の確認資料(上記Q1の1(1)参照)のほか、委任者(被後見人になる人)については戸籍謄本(抄本)および住民票を、受任者(後見人になる人)については住民票をそれぞれ準備してださい。
Q4. 離婚給付契約公正証書を作成するには、どのような資料が必要ですか?
当事者本人等の確認資料(上記Q1の1(1)参照)のほか、次の資料を準備してください。
- 戸籍謄本
公正証書作成後に離婚する場合は、現在の家族全員が載った戸籍謄本を、離婚済みの場合は当事者双方の離婚後の戸籍謄本をそれぞれご準備ください。 - 不動産の登記簿謄本(登記事項証明書)および固定資産税納税通知書または固定資産評価証明書
離婚給付契約中に、財産分与として、不動産の所有権を相手方に移転する場合に必要となります。 - 年金分割のための年金手帳等
年金分割の場合、当事者の年金番号を公正証書に記載する必要がありますので、当事者の年金番号が分かる年金手帳、年金情報通知書等をご準備ください。
Q5. 書面による会社の定款の認証を受けるには、どのような資料が必要ですか?
1 発起人自身が定款を作成した場合
発起人全員が公証役場に来られる場合とその代理人が公証役場に来られる場合で、用意する資料が異なります。分けてご説明します。
なお、後述する印鑑登録証明書、代表者の資格証明書および法人の登記簿謄本(登記事項証明書)ならびに代表者印の印鑑証明書については、発行3か月以内のものに限られます。
(1) 発起人全員が公証役場に来られる場合
- 認証を受ける定款(多くの場合は公証役場用、法務局用、会社保管用)3通
- 発起人全員の印鑑登録証明書(発起人が法人の場合は、代表者印の印鑑証明書とその会社の登記簿謄本(登記事項証明書)または代表者の資格証明書)
上記①②のすべてをご準備ください。
(2) 代理人が公証役場に来られる場合
上記(1)の資料に加えて
- 発起人から代理人への委任状(発起人の実印(法人の場合は代表者印)を押印したもの)
- 代理人自身の確認資料
- ア 印鑑登録証明書と実印
- イ 運転免許証と認印
- ウ マイナンバーカードと認印
- エ 住民基本台帳カード(写真付き)と認印
- オ パスポート、身体障害者手帳または在留カードと認印
上記ア~オのうちいずれか。
上記①②のすべてをご準備ください。
2 発起人が定款作成代理人に定款の作成を依頼し、定款作成代理人が定款を作成した場合
定款作成代理人が公証役場に来られる場合と、その代理人が公証役場に来られる場合で、用意する資料が異なります。分けてご説明します。
(1) 定款作成代理人が公証役場に来られる場合
- 認証を受ける定款(多くの場合は公証役場用、法務局用、会社保管用)3通
- 発起人全員の印鑑登録証明書(発起人が法人の場合は、代表者印の印鑑証明書とその会社の登記簿謄本(登記事項証明書)または代表者の資格証明書)
- 発起人から定款作成代理人への委任状(発起人の実印(法人の場合は代表者印)を押印したもの)
- 定款作成代理人自身の確認資料
- ア 印鑑登録証明書と実印
- イ 運転免許証と認印
- ウ マイナンバーカードと認印
- エ 住民基本台帳カード(写真付き)と認印
- オ パスポート、身体障害者手帳または在留カードと認印
上記ア~オのうちいずれか。
上記①②のすべてをご準備ください。
(2) 定款作成代理人の代理人が公証役場に来られる場合
上記(1)の資料に加えて
- 定款作成代理人から代理人への委任状(定款作成代理人の実印を押印したもの)
- 代理人自身の確認資料
- ア 印鑑登録証明書と実印
- イ 運転免許証と認印
- ウ マイナンバーカードと認印
- エ 住民基本台帳カード(写真付き)と認印
- オ パスポート、身体障害者手帳または在留カードと認印
上記ア~オのうちいずれか。
上記①②のすべてをご準備ください。
Q6. 私署証書の認証を受けるには、どのような資料が必要ですか?
認証を受ける書面(私署証書)を持参することはもちろんですが、本件についても、公正証書の作成の場合と同様、署名者本人が公証役場に来られる場合と、その代理人が来られる場合、さらには、署名した者が個人なのか、法人の代表者等なのかによって異なります。それぞれ分けて説明します。
なお、後述する印鑑登録証明書、代表者の資格証明書および法人の登記簿謄本ならびに代表者印の印鑑証明書については、発行3か月以内のものに限られます。
1 署名者本人が公証役場に来られる場合
(1) 署名者が個人の場合(署名者本人の確認資料)
- 印鑑登録証明書と実印
- 運転免許証と認印
- マイナンバーカードと認印
- 住民基本台帳カード(写真付き)と認印
- パスポート、身体障害者手帳または在留カードと認印
上記①~⑤のうちのいずれかをご準備ください。
(2) 署名者が法人の代表者で、署名にその肩書が付されている場合
- 代表者の資格証明書と代表者印およびその印鑑証明書
- 法人の登記簿謄本と代表者印およびその印鑑証明書
上記①②のうちのいずれかをご準備ください。
なお、代表者印を社外に持ち出せないなどの事情がある場合には、1(1)①~⑤のいずれかをご準備いただくなどして認証できる場合もありますので、公証役場にご相談ください。
(3) 署名者が法人の代表者ではなく、「・・部長」「・・課長」等の肩書きが付されている場合
- 代表者の資格証明書または法人の登記簿謄本(登記事項証明書)
- 代表者印の印鑑証明書
- 署名者の確認資料
署名者の確認資料として、上記1(1)①~⑤のいずれかをご準備ください。 - 役職証明書
代表者が署名者について、その役職にあることを証明する書面で、代表者印を押印したもの。
上記①~④のすべてをご準備ください。ただし、署名者の肩書きが取締役である場合は、①が法人の登記簿謄本で当該取締役の記載があれば、②(代表者印の印鑑)および④(役職証明書)は不要です。
2 代理人が公証役場に来られる場合
(1) 署名者が個人の場合
- 署名者本人から代理人への委任状
署名者本人が作成した認証権限を委任する旨の委任状です。これには本人の実印を押印します。委任状のひな形が公証役場にありますので、公証役場にお尋ねください。 - 署名者本人の印鑑登録証明書
- 代理人の確認資料
代理人自身の確認資料として、上記1(1)①~⑤のうちのいずれかをご準備ください。
(2) 署名者が法人の代表者で、署名にその肩書が付されている場合
- 代表者の資格証明書または法人の登記簿謄本(登記事項証明書)
- 法人の代表者から代理人への委任状
代表者本人が代表者印を押印したものです。この委任状のひな形も公証役場にありますので、公証役場にお尋ねください。 - 代表者印の印鑑証明書
- 代理人の確認資料
代理人自身の確認資料として、上記1(1)①~⑤のうちのいずれかをご準備ください。
(3) 署名者が法人の代表者ではなく、「・・部長」「・・課長」等の肩書きが付されている場合
上記2(2)の資料(委任状については、署名者本人の実印を押印したもの)に加え、
- 役職証明書(役職者が使用する印鑑の証明もされていることが多く、その場合には②は不要です。)
- 署名者本人の印鑑証明書
上記①②のすべてをご準備ください。ただし、署名者の肩書きが取締役である場合は、上記2(2)①が法人の登記簿謄本で当該取締役の記載があれば、同③(代表者印の印鑑証明書)および前記①(役職証明書)は不要です。