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公証制度・公証人

第1 公証人の使命と公証業務について

公証人の職務執行区域について

公証人は、法務省の地方支分部局である法務局又は地方法務局に所属し、法務大臣が指定する所属法務局の管轄区域内に公証役場を設置して事務を行います。

公証人の職務は、原則としてこの公証役場として開設した事務所で行うことになっています。

ただし、病院や嘱託人の自宅で遺言公正証書を作成するときや、当然職務の内容が他の場所で行われる貸金庫の開披、土地・建物の形状などについての事実実験公正証書を作成する場合には公証役場以外で執務を行うことになります。

なお、公証人は、自己が所属する法務局・地方法務局の管轄外で職務を行うことはできないことになっています。したがって、東京都内にある公証役場の公証人は、東京都内であれば出張できますが、東京都外には出張できません。

もっとも、管轄区域外に居住する嘱託人が他の管轄地にある公証役場に赴いて公正証書を作成することは可能です。ですから、九州に住む嘱託人でも、北海道の公証役場に訪れてくれれば、当該公証役場の公証人が公証業務を行うことができることになります。

ただこれにも例外があります。それは会社等法人設立のための定款の認証ですが、会社・法人の本店所在地を管轄する法務局・地方法務局の公証人でなければ取り扱うことができないことになっています。したがって、大阪府内の公証役場の公証人が定款認証できるのは、本店所在地が大阪府内にある法人についてのみということになります。