お知らせ
さいはての離島(利尻島・礼文島)における広報活動(2)
平成29年11月 名寄公証役場
1 4回目の相談会
⑴礼文島の状況(11月14日火曜日:くもり時々雨(風10m・波4m))
前日13日夕方礼文島に入り、当日は午前9時から午後3時まで礼文町役場の第1会議室において、相談会を実施した。
当日は、ときおり強い雨が降り、陸上は風、海は風・波が高く、時化の状態で、相談者の来庁よりも、心配は、夕方利尻又は稚内へ渡るフェリー便の運航であった。
今回は、前回(9月)予約の遺言2件と1週間前の電話による養育費減額の相談の合計3件であった。
午前は、既に養育費合意はされていたが、一方の収入減から、話し合いを続け、当事者間でようやく減額に合意した状況であると話し、この際、証書にして残しておきたいと証書の作成依頼があり、養育費減額等の当事者の合意内容を聞き取りした公正証書作成に至った。
午後は、前回予約の遺言2件であり、午後1時と2時の予定が、少しずつ前倒しとなり、2時過ぎまでには、遺言公正証書作成は完了した。
遺言者である漁師については、予定時間の15分前に相談室にそっと顔をだし、
「もういるんだ!」
「今日は時化で、アワビ漁もなく、早く来だ!」
と前回には11月は漁予定がないと話していたのに、と思ったものの、「どうぞ、お入りください!」と愛想良く、あくまで予定は予定なのだと思わざるを得ないと実感。
当日の礼文町における相談は、「今日、相談に行けないが後日名寄公証役場に電話相談したい。」
とする事案があったなど、まさしく1日移動公証役場として役割を果たすことができた。1日複数の証書作成は、前任地以来、名寄でも、ほとんど無いのだが。
唯一心配していた、午後4時20分発フェリーは、強い波浪のなか、まばらな乗客がいる船内で、大揺れに揺れる船の揺れに身を任せ、午後5時過ぎ、真っ暗な利尻島鴛泊に到着した。
⑵利尻島の状況(11月15日水曜:吹雪のちくもり(風10m・波4m))
礼文同様、午前9時から午後3時までの間、前回まで同時開催であった登記相談が前週に前倒しとなり、いつも登記相談が実施される利尻富士町役場1階小会議室において相談会を実施した。
利尻富士町では、7月の相談会時に遺言相談1件、9月相談会の2週前に、引っ越し前に利尻在住の証人立合いで遺言作成をお願いしたいとの依頼が有り、利尻富士に出張しているが、今回は事前予約なく、ひたすら相談者を待つ、いつもと同様の1日が始まった。
町役場担当者からは、お昼休み時に、前回同様、広報誌及び相談会当日9時から防災無線を通して広報をしていますと話しをするなか、町民課に電話があり、「公証相談は混んでいるか?」の問い、「大丈夫です。相談可能ですよ。」と役場職員に応えてもらい、どのような相談か楽しみにするも午後2時前に、今日は、相談に行けなくなったとの連絡。
結果は、相談者席に座ったのは、町役場担当者のみであったが、相談会開催の案内は確実に伝わっていることを確認、次回相談日まで相談者の健康を祈るとともに、今後も地道な広報が必要との思いで相談会を終えた。
相談会を終え、1日2便中の最終便、午後5時30分発稚内行のフェリーに乗船し、午後7時15分稚内港に到着し、休息を取りつつ、深夜吹雪の中、名寄到着。今年の離島における広報活動を無事終えることができた。
2 次回(来年)以降の離島の広報活動
⑴公証制度周知のため相談会の継続と開催時期の検討
来年度は弁護士会の無料相談と公証人との合同相談会(1日移動公証役場)として継続したい。
・弁護士会では、稚内の二人の弁護士が利尻島と礼文島をそれぞれ担当し、春と秋の2回無料相談を実施していることから、合同で実施することで,島民の利便性を高め、観光時期を外し、礼文町・利尻富士町と新たに利尻町を加えた3町において、弁護士と公証人が同一施設で2カ所の相談場所の確保を前提に実施時期を調整して実施したい。
弁護士とは、瀬川日公連広報委員に事前調整いただき、それぞれの弁護士と11月9日面会し、詳細は後日とするも、快諾を得ている。
なお、両弁護士によると、例年のおよその開催時期は4月と10月、日帰り可能なフェリー4便就航時期に、1~2週間前に開催役場に連絡し、各役場において防災無線等により町民に広報されているとのことであるが、合同開催では、1か月前位に計画することは可能、ただし、今年の10月はフェリー欠航により中止になったこと等意見交換があった。
①利尻島担当 稚内市 稚内ひまわり基金法律事務所 弁護士小田桐誠
(利尻富士町及び利尻町で春と秋2回の実施)
②礼文島担当 稚内市 北の杜法律事務所 弁護士古井健司
(礼文町において春と秋2回の実施)
⑵町福祉担当者及び各種高齢者福祉施設への講演含む啓発広報の検討
未定